【寝取られ体験】~夫の目の前で調教された人妻~

「ん……」
また少しシワが増えたように見える夫の大きな手が、私の背を包み込むように抱き、肩にかかるハイブランドのブラジャーの繊細な肩紐を丁寧な手つきで外していきます。
ぷちん。
同時にホックも外されると、淡いブルーの上品な花の刺繍が散りばめられたカップが浮きます。
その中から、丸く柔らかなDカップの胸がこぼれるようにぷるん、と姿を現しました。
「……っ」
結婚し共に暮らすようになってから8年が経つ夫でも、こうして間近で乳房を見られるのは恥ずかしさがあります。
つい顔をそむけた私の首元から胸元に、夫の手が這います。
先ほど、お風呂上がりに塗った高級ボディクリームのピンクローズが香る私の胸を夫の手が包み、ゆっくりと揉みしだき始めました。
「紫乃子、いい香りがするな。この前俺が貰ってきたやつか? うちの店に入ったブランドショップの」
「ええ、そうよ、あのボディクリームを使ってみたの。あ、……」
徐々に熱くなり始める乳房を揉みながら、20代の頃と変わらずきゅっと引き締まった腰周りと、ブラジャーと揃いのブルーのショーツの上を夫の手がなぞります。
まだ34歳、もう34歳。
30代半ばのこの年齢は、若いとも若くないともはっきりとは言えない、なんとも中途半端な歳です。
それでも、毎週通っているピラティスの効果もあってか、私の見た目は20代後半の頃とほとんど変わりません。
服を脱いで素肌を晒すと、よく見ればお尻の肉がやや下がってきているかなという程度で、お腹に贅肉はなく、二の腕や太もも、胸もまだまだ張りがあります。
いつも身につけているブランドものの上質のブラジャーを外しても、垂れ下がることなく豊満に上向いています。
むにゅり、むにゅりと乳房全体を揉んでいた夫の手が、徐々に硬さを帯びてきた乳首をとらえました。
「ん、あ……」
硬く尖り始めた乳首を転がすように夫の手が行き来すると、甘い熱感が胸の先端にじわりと灯ります。
その灯火は、徐々に下腹へと広がっていきます。
結婚する前から、夫の手つきが丁寧で優しいのは変わりません。
夫自身、穏やかな気質をしており、家庭でも優しい良き夫です。
仕事でも、長年勤めている百貨店の本部長として大勢の部下を束ねる立場にありながらも、傲慢にはならず、かといって50歳という歳相応の威厳と紳士さも持ちながら懸命に職務にあたる姿を、私はいつも側で見てきました。
「晃一郎さん……ああ……」
シルクの白いシーツを敷いたキングサイズのベッドにショーツ1枚の姿で横たわる私を、天井にぶら下がるシャンデリア風のオレンジ色の照明がわずかに照らしています。
こうして夫と夜の営みをするのは、約1年ぶりになります。
しばらく間が空いてしまっても、私の身体はちゃんと、夫の挿入を受け入れられるでしょうか。不安がよぎります。
でも、夫がなぞり続けるショーツの内側の灯火は、徐々に大きさを増しています。
「んん……あっ……」
裸で横たわっていても、4月下旬の室温は空調をかけていなくても快適です。
タワーマンションの12階から見える窓の外の暗闇の東京は静寂で、これから始まる私たちの行為を待ちわびているかのようです。
私は、リカバリーウェアのスウェットを履いた夫のほうへ手を伸ばしました。
しかし、夫の黒いスウェットの奥は、しんと静まり返ったままです。
スウェットの紐をほどき、サンローランのグレーのボクサーパンツの上から、男性器が収まっている部分を手でさすります。
しかし、そこに際立つ凹凸は感じられません。しばらく丹念にさすってみても、内側のものは静まっています。
「……」
ボクサーパンツを下げ、私はその中に存在するものを手に取りました。
愛する夫のものです。
顔を近づけ、肌色の表面へ舌を伸ばします。
ぺろり。ぺろ、ぺろっ……ねろり。
一生懸命、心を込めて夫のものに舌を這わせます。
けれども、夫の下半身はうなだれたままです。
ねろり、ねろり、ぺろ、ぺろ……っ
続けて、根元から先端、先端の丸い部分まで、何度も舌を動かします。
しかし、ぴくりとも反応はありません。
私の目の前にはただ、50歳男性のしなびたペニスが、ぽろりと下を向いて存在しているだけでした。
今日は、夫が仕事で関わっていたプロジェクトが一段落する日でした。
――今夜は、帰宅が早いから、大丈夫だと思ったのに。
今日こそはできるかも、と思ったのに。
「……」
やっぱり、今日も、だめだった。
ショーツに覆われた私の内側の部分が、急速に熱を失っていきます。
自身の内部に、屹立した男性のものが入ってくるのは、どんな感覚だっただろうか。もう、よく思い出せません。
夫は気まずそうな顔でスウェットを上げてしまいました。
「……昨日、遅くまでかかった取引先の重役たちとの会食の疲れが、まだ抜けてないのかもしれないな」
「かなり遅い帰宅だったものね。プロジェクトは今日終わったとはいえ、きっと、相当疲れが溜まってるのよ。Aデパートは、今期も売上が厳しいの?」
「ああ、そうだ……。これからまた、事業戦略から練り直さないといけない」
「そうなの、それは大変ね……」
2人の間に沈黙が流れます。窓の外は相変わらず真っ暗闇で、風の音ひとつもしません。
「……明日の夜は、新規ブランド交流レセプションパーティーに行かないといけないのよね。明日に備えて、もう休みましょう」
「ああ、そうだな。明日のパーティーは、紫乃子のアクセサリーブランドのPRに少しでもつながるといいな」
「もちろんよ。たまたま、晃一郎さんの関係者として私も参加できるんだから、興味を持ってくれそうな方へしっかり挨拶に周るわ。
この前あなたに買ってもらったドレスと、私が制作した新作のアクセサリーを付けていけばいいかしら」
「いいだろう。アクセサリーの売上のほうはどうだ」
「変わらず、そこそこよ。これ以上売上もブランドの知名度も伸ばす方法がさっぱりわからないわ。明日のパーティー前のジュエリーワークショップでも、同じようにハンドメイドの一点物ブランドを展開してる方に聞いてみるけど、あんまり期待はできないわ」
「そうか。それでも、顔を出せるところには出しておいたほうがいいからな」
寝間着に着替え始めた夫に続き、私も上着を羽織ります。
「じゃあ、おやすみ」
「……おやすみなさい」
手早く寝る準備を整えた夫の横で、私も目を閉じました。
しばらくすると、夫の寝息が聞こえてきました。
でも、私の頭の中には色々な感情がぐるぐるとしいて、眠れそうにありません。
――このまま、もう、夫とはセックスできないのでしょうか。
別に私は、特別に性欲が強い女というわけではありません。
けれども、最近、どうしようもなく叫び出しそうになることがあるのです。
でも、私ももう、いい大人です。
20代の女の子のように、利己的な感情を夫にぶつけるようなことはしません。
それに、喚いたとしても何も変わらないことはわかっています。
私と夫の晃一郎との間に子どもはいません。
夫とは、Aデパートの社員同士として出会いました。
当時、私は会社の広報部にいて、部長の役職に就いていた藤堂晃一朗と業務を通じて出会ったのです。
「う、ぐ……」
横で寝ている夫が苦しそうに寝返りをうちました。
眉間に深いシワが寄っており、ぎりぎりと歯を食いしばっています。
新婚の頃とは違って、この頃は毎晩のように歯ぎしりをしています。
相当な疲れが溜まっているのかもしれません。
「はあ……」
私は深いため息をつき、高級シルクの掛け布団をバサリと肩まで上げました。
掛け布団の中で徐々に暖められていく身体の奥が、ドク、と鳴ったような気がしました。
でも、私はそれに気づかなかったように、まぶたを硬く閉じました。
<続きます>
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今回の記事を執筆したのは紫月ルイカさんです
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短編小説、著者プロフィールはこちら→https://www.aubebooks.com/
カテゴリー:【紫月ルイカ】SM小説













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